本日、René Böllさま Johannes S. Sistermannsさま Thorsten Schirmerさまによる「空 – 間」を無事終了しました。
会期中お越しいただきました皆さま、誠にありがとうございました。

会場の様子・作家紹介はこちらから↓
https://www.youtube.com/watch?v=bua-K6PIrbM

今展示会を開催いただきました皆さま・ご後援の皆さまに、スタッフ一同心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。

アートスペース余花庵

10：30～20：30 (最終日15：00まで)

禅芸術において、形と空は基本的な表現手段である。15世紀に京都で発展したその美学は、現代美術においても、その話題性を全く失っていない。3人のドイツ人アーティストは、数十年にわたり禅アートに基づいた製作活動を集中的に行っている。京都市とケルン市の姉妹提携60周年記念の一環として開催される展覧会は、東洋と西洋の架け橋となるものである。

レネ・ベル
René Böll
水墨画

レネ・ ベル (René Böll) は1948年にケルンに生まれる。ケルンとウィーンで絵画と版画を学び、1970年代初頭から現在まで、東アジアの水墨画様式的手段を用いた絵画制作に取り組む。ヨーロッパのみならず、日本や中国での展覧会など、国際的な舞台で活動している。2002年には北京民族大学美術学部教授に就任している。ベルは制作にあたって自作の詩やヘルダーリンの詩、寒山诗などを引用して用いるなど、日本や中国の書道文化からインスピレーションを得た作品が少なくない。一貫したテーマのひとつは、人間存在の儚さである。レネ・ ベルは水墨画やモノクロームの絵画における偶発的で太筆による大胆な筆致を好み、具象と抽象が混在した高い表現力を有している。

ヨハネス・S・シスターマンズ
Johannes S. Sistermanns
インスタレーション「音の彫刻」

ヨハネス・ シスターマンズ (Johannes S. Sistermanns) は1955年にケルンに生まれ、現代作曲家、パフォーマー、サウンド・ アーティストとして国際的に名だたる賞を受賞している音響アーティストである。彼はピアノ、リズム、作曲並びにオーバートーンや北アメリカ先住民の歌曲などを学び、音楽学で博士号を取得している。マルチメディア・ サウンドスカルプチャーによるインスタレーション、アーバンアート・ プロジェクト、コンサート、パフォーマンスなどのほか、日本や中国など、世界各地で講演も行っている。弓道と禅の修行で培った長年の経験が作品に反映されている。シスターマンズは潜在的な空間から作品を生み出し、何もない空間の質を追求し、楽器と空間の境界を乗り越えようとしている。その不確定な空間状況で形状と虚空が邂逅する美学的なフィールドを切り開いている。個人の知覚の情報化能力を目指すものである。

トルステン・シルマー
Thorsten Schirmer
フィンガーペイントによる水墨画

トルステン・ シルマー (Thorsten Schirmer) は1969年、ハノーファーに生まれる。幼少期より古典的な禅画や後に京都で発達した山水画に傾倒し、やがて全くの独学で水墨画をはじめる。シルマーの制作スタイルは極めて独特で、筆を一切用いず小指一本で描き上げる。禅の精神に基づき、創作のプロセスをより即物的に体現するためである。個展は各国で開催されており、特に中国で高い評価を得ている。中国・ 西安徽大学（皖西学院）の美術教授である。またトルステン・ シルマーは、東アジアの絵画の伝統、その根底にある哲学、文化的背景に関する多くの書籍や記事を執筆し東洋の哲学と文化的背景を紹介している。形と虚無の一体化は、彼のフィンガーペインティングの中心的なテーマである。

フォトギャラリー　画像をクリックすると拡大できます