2021年10月5日~ 10月10日
辵璽林(ちゃくじりん)
辵展 「恥」

20211005s

辵展

「恥」


辵璽林

2021年 10月5日(火)〜 10月10日(日)
10:30~18:00
最終日17:00まで

 

来る10月5日より篆刻家 水野 恵氏主宰の「辵璽林」によるグループ展「辵展」を開催いたします。
「辵璽林」は篆刻屋「鮟鱇窟」3代目主人で今年90歳になられる水野恵氏のもと門下生23名が書と篆刻の研鑚に励むグループです。
毎年、作品を発表する場として展覧会「辵展」を開催されています。

今展の主題は「恥」。

『作品は人どす。腕だけで作品が生れる分けやおへん。作品は心どす。』と語る水野氏。急ぐときほど確実な道を行くのがよいことを「急がば回れ」と、古典の醒醉笑にも書かれていますが、水野氏は「急がば戻れ」と門下生へ呼びかけます。

『恥にもいろんな「はじ」がおして漢字には「恥」の他「忸」「媿」「慚」等、名詞動詞合せて五十字以上おす。これを生徒達がどう咀嚼するか楽しみどす …中略… 昔、人間とは「考える葦」やて言うた人が居ました。ボクはこれを「忘れる葦」て言い換えとおす。教えたことをすぐに忘れる生徒は、一般に想像されてるよりずっと多いと思います。人とはそういうもんやとすると、罪の無い事になります。問題は、もう一回学び直すかどうかなんどす。辵璽林ではこれを「急がば戻れ」て言うてます。戻るのは恥やおへん。忘れ放しにしとくのが忸しいのどす。』
(水野氏「とくとくの消息 三葉」より抜粋)

門下生の皆さんが「恥」をどのように解釈し、どのように作品として表現されるのかが、今展の見どころです。人間だれしも恥ずかしい思いをしたことがあることでしょう。各人が恥を見つめなおし、篆刻作品・書作品へと昇華させようと試みます。
ご来場の皆様にも、今展の作品を通して、日々の生活や自身の在り方を見つめなおす「急がば戻れ」の機会となりましたら幸いです。会場には、篆刻作品17点、掛軸作品20点、色紙額作品2点、額作品2点を展示予定です。是非ご高覧いただきたくご案内申し上げます。

※1 醒醉笑/醒睡笑(せいすいしょう)
江戸時代初期に京都で成立した笑話集で、庶民の間で広く流行した笑い話が1000話以上まとめられている。その内容は落語などに影響をあたえ、話の中にでてくる「急がば回れ」などの格言も現代にも伝わる。


水野 恵(みずの けい)
1931年京都生まれ。篆刻家。
鮟鱇屈主(屋号は江戸時代から続く御用印判司の屋号を祖父が継いだもの)。京都府立大学文芸学科卒業。
著書に「印章篆刻のしおり」(芸艸堂)、「滕六齋印彙」(芸艸堂)、「古塔水煙集」(学生社)、ほか多数。